総務人事の日々

渋谷の中小企業で総務人事。本職は人材開発です。が、人事制度の設計からトイレのトラブル解決までなんでもやります。

管理部門の顧客は誰かというキホンのキホン

先日、良いご縁が続いている社外の方と久しぶりにお会いしました。
近々組織の長として1ランク上がるということで組織や人事のことなどを話しました。

そのときに「人事などの管理部門の顧客は誰だろうか」という話題になりました。
あちらの人事の方はハッキリと「管理部門の顧客は社員」とおっしゃっていました。

 

とても違和感を覚えました。
わたしは社員を顧客だとまったく考えていない自分に気づきました。極端に言うと一度もそう考えたことがありません。うん、たぶんない。
わたしたち管理部門の「サービス」は確かに社内に向けられたものであることが多いです。でもだからと言ってその受け取り手である社員はそのままわたしの「顧客」なのでしょうか?

 

ドラッカー先生に「あなたの顧客は誰か?」と尋ねられたらわたしは「わたしの顧客は弊社の顧客です」と答えます。
わたしは人事担当者ですから弊社のサービスを受ける顧客と直接接することはほとんどありません。しかしわたしは自分の打つ施策はすべて自社の顧客のために行っています。なぜなら人事施策の目的は社員のパフォーマンスを向上させて顧客の満足を高めることだからです。わたしが設計する人事施策は弊社の顧客満足につながっていなければ意味がないです。

 

よく「CS(顧客満足)を高めるためにはES(従業員満足)を高めなくてはいけない」と言われます。そう教えられたこともあります。でもわたしは「ホントかな?」と思うのです。

このフレーズが説得力を持つのは自社事業のCS向上のためのサービスがしっかり設計されていることが前提で、そのサービスのためにES向上策が結びついている場合だけだと考えています。決してESがCSに優先するものではないと思います。
(そもそもこのフレーズ、CSとESの相関関係を因果関係だと読み違えた誰かが広めたんじゃないかと勘ぐっています。「CSが高い企業はESが高いんですよ!だからESを高めましょう」とか言って営業してまわっている人材サービス会社さんが目に浮かびます)。

 

わたしは自分のことを「白魔道士」だと思っています。ロールプレイングゲームに出てくるあの白魔道士です。後列から回復魔法や補助魔法をかけるのが役割です。でも戦士や勇者と一緒に戦闘に加わっています。意味もなく防御魔法をかけたりしません。そんなの甘やかしです(笑)。勝つために魔法を使うのです。パーティーの仲間に補助魔法をかけつつ、時々自分も攻撃に参加する。そんなパーティーの一員でありたいです。

 

※もちろん従業員が1,000人以上の企業になれば意識はだいぶ変わるのだと思います。わたしはこのポジションが好きで中小企業の人事をやっていると言っても過言ではないです。