五者の精神
「予備校講師というのは、役者であり、芸者であり、易者であり、医者であり、そしてちょっぴり学者であってほしい」
代々木ゼミナールの元理事長の言葉で「五者の精神」と呼ばれています。
実際に講師をしていた方から伺ったのは、このすべてを網羅しつつ、それぞれの得意な部分を伸ばすことを求められていたそうです。
ふと、こんなことを思ったのは、社内研修をつくっているときでした。
人事の人にもこれが求められているのではないかな、と感じました。
人事担当者はいろいろな「役」をやります。会社側のメッセンジャーをやることもあれば、社員のカウンセラーになることもあります。
人事担当者は社員や、求職者の前で話をすることがあります。会社の求心力に貢献しなければなりません。そこには「芸」が求められます。
誰かの未来、組織の未来を「占う」こともあります。易学を用いることはありませんが、いろいろなデータから予測を行って提言をつくります。
トラブルがあったときは組織に対して「医術」を用います。何が問題か、何を解消すればいいのか。西洋医学的な分解・分析のアプローチをとるか、東洋医学的な、統合・全体のアプローチをとるか。対症療法か、根治か。
それらを支えるのは心理学や経済学や経営学や工学などの「学」です。それだけでは何もできませんが、サイエンスを頼りにすることは多いです。
自分は五者の精神で言えば、どこを伸ばしていくといいのだろう、どこを伸ばしていきたいだろうか、と考えます。