総務人事の日々

渋谷の中小企業で総務人事。本職は人材開発です。が、人事制度の設計からトイレのトラブル解決までなんでもやります。

「はたらき方」の話

はたらき方が注目されています。

キーワードは「長時間労働」「労働生産性の低さ」などでしょうか。


働き方変え生産性向上 長時間労働是正、女性進出後押し (日本経済新聞)

私は日本人の長時間労働好きはの原因は学校教育が促す「努力」のせいなのではないかと思うことがあります。

学校教育で推奨されるのは、「努力」です。
できないことを克服するために努力を継続し、誰も見ていないところでも愚直にがんばることが美徳とされています。

しかも、「できなかったけど、がんばったね」と賞賛されることもあります(私の個人的な体験ですが)。
これによって育まれるのは「努力さえ見せれば、結果はでなくてもいいことがある」という意識です。すなわち、「無駄とわかっていても努力はする」ということのインセンティブになってしまいます。

指導の際、「小さなことを積み重ねることが大切」と言い過ぎるのもよくないですね。その小さなことが大きな成果を出す根拠になっていればいいですが、大概は目の前の「小さなこと」に完全に意識を持って行かれてしまいます。

このまま大人になるとどうなるかというと長時間労働を厭わない意識が生まれます。

徹夜自慢、寝てない自慢は学校教育時に刷り込まれた「やりこんでいるから評価されるはず」という意識と無関係でしょうか。

社会で求められるのは「成果」のみ。
努力の経過はエピソード。

「夜遅くまで、こんなにがんばってるオレ」は全然えらくありません。
「単純作業をやり遂げた達成感」、その作業はあなたの人件費でやることでしょうか。

生産性について厳しく問われなくてはいけないと思うのですが、その発端が学校教育にあるとすると改善するのはなかなか難しいと思ってしまいます。

■■■
このことが同時に「成果を定義できない上司」を生んでいるようにも思います。
成果を定義できないから、働き方のプロセスしか評価できない → (遅くまで)がんばっている人を評価する 

それはまた別の話ですが。