総務人事の日々

渋谷の中小企業で総務人事。本職は人材開発です。が、人事制度の設計からトイレのトラブル解決までなんでもやります。

経験学習モデルをいかに確立するか

職場での学習、成長の最も重要なファクターは「経験」です。
特に中小企業では、業務の経験が成長を左右すると言われています。

その「経験」をキーにした成長をモデル化したものが「経験学習モデル」と呼ばれるものです。
乱暴に言えば、仕事ってのは現場で覚えるもんだ!というのを理論化してモデル化したものです。

ただし、経験だけすればいいわけでなく、体験(ただやったこと)を経験(自分の血肉となること)に変換することが必要です。そのためには体験のあとに「リフレクション」と呼ばれる内省の時間が必須です。
そしてこの内省によって、仕事に対する持論を作っていくわけです。

これは一見するとPDCAサイクルと似ています。しかしPDCAサイクルは業務の改善にフォーカスしていることに対して経験学習モデルは、作業者のメタ認知が向上することが目的です。仕事の意味、目的などを本人のなかでバージョンアップすることで、ほかの業務の機能も向上させようというものです。

このメタ認知を向上させるのが「持論」なのです。
持論というと酒場でおじさんが若手社員に「俺の持論なんだけどな」とお説教しているのが浮かびますが、実はあの持論には大切な効果があるのです。仕事から自分なりにとりだした意味、それが持論です。受け売りでなく、自分自身で気づいたからこそ意味があります。そうやってかつての若手だったおじさんたちは技術を向上させてきたわけですね。(それを人に押し付けようとするからあまり良い目で見られないわけです)。

こういった経験の良いサイクルをどうしたら社内で生むことができるか、というのがいつも考えていることです。
何度もチャレンジしていますが、まだまだです。今年こそはこのサイクルがまわるよういろいろ施策を打っていく予定です。