総務人事の日々

渋谷の中小企業で総務人事。本職は人材開発です。が、人事制度の設計からトイレのトラブル解決までなんでもやります。

職場が傷つくとき

人間関係のトラブルがあると職場は傷つきます。

 

心が傷ついた人がいると、その環境をつくった人、それを救済しようとする人。

対応するすべての人たちに何らかの影響があります。

 

今まで一緒に仕事をしていた人が何かのきっかけで変わってしまう。

そのことは一緒にいる人たちに強いショックを残すことがあります。

 

だから再度立ち上がるために力を合わせないといけないです。

 

ともかくまずはぐっすり眠ることだと思います。

答えのない問題に対応するときには

過渡期とごまかすのはよくない。

 

職場には答えが出ない問題があります。
たとえば、育休時短者のフォローを誰がするのか、そしてフォローした人はどのように評価されるべきか。

まったく逆に、その育休時短者の成果をどう評価するか。労働法で言えば時間で測るんだろうけど、本当にそれが彼女の価値なのか。

職場の数だけ、働く人の数だけ悩みと問題と解決策があるでしょう。
働く人それぞれのキャリアやライフステージの組み合わせによって悩みや問題のレベルが変わってきます。

 

そういうとき「いまは過渡期だから」と言ってしまいそうになります。
しかしその考え方の裏にはいつか正しい解決方法にたどり着くことができるという前提で考えています。これは実は危険なことです。
いつか辿り着く過渡期の向こう側の正解を待って、『今』をおざなりにすることになります。なんでも「一旦」で対応することになり、それは一貫性を失わせたり、当事者の満足からかけ離れたことをすることになります。そしてその態度がもたらすのは「時間切れ」という答えです。

 

答えのない問題に出会ったら「この問題はたぶん解決策に至ることはありません。でも一番大切な『今』のためにできる限りの試行錯誤を尽くします。うまくいかないことに付き合わせるかもしれません。でも誰にも堂々と自分が正しいと思った試行錯誤をします。お付き合いください」と言うのが精一杯なところです。

イベントに参加してきました『採用業界の不思議。人材・採用ビジネスの『介在価値』って、何だ??』

久しぶりにHR系のイベントに参加してきました。
最近はなんとなく顔を知っている方のイベントに行くことが多かったのですが思いきってまったく縁もゆかりもないところに行くというのも今回の大切なテーマです。
年を重ねても新しいところにガンガンいきましょう。

 

今回伺ったのは『採用業界の不思議。人材・採用ビジネスの『介在価値』って、何だ??』というイベント。HRのサービスベンダーさんたちが「自分たちが介在することで出せている価値とは何か」ということを議論しあうものでした。「こんなソリューションありますよ!」という営業型でないところがとても感心しました。

 

結論から言うと、登壇していた主催含む5社はすばらしい価値をクライアントに提供しているのではないかと感じました。サービス内容がすばらしいのはもちろんですが、起業した動機が「世界を◯◯な場所にしたい」ですから、熱量がすごいです。

これまで起業家という方たちに何人もお会いしてきましたが、どいつもこいつも本気で世界を変えようとしていやがる。そのために寝ないで仕事していやがる。もしかしたら本当に世界が変わるかも。

 

内容としては自分が抱いている違和感・疑問とあまりずれはありませんでした。オレもまだまだ実務家としてやっていける。

・社長は採用スペックを求めすぎ
・落とす採用ではなく、深い相互理解を推進する
・学歴、職歴、スキルなどの外形情報でない部分を選別する
・これからは現場が求めるスキルに合わせて採用する職種別採用になっていく
・面接官が心理的バイアスに抗って面接をするのは無理。無駄な努力。

などなど。
「だよねー」と思いながら、これらのソリューションを提供している方たちを素直に尊敬しました。
HR-Techが話題になっていますが、なんとなく「?」なものが多かったのがわたしの感想です。それは既存の問題に対する回答として提供されたものが多かったためでしょう。
今回伺ったサービスのお話は「自分たちが介在する価値・意味」を本気で考え抜いて出発しており、問題そのもののあり方を劇的に変え、「世界はこうあるべき」と提示するかのようなプロダクトでした。
 
わたしもわたし自身の介在価値を真剣に考えて人の役に立ちたいものです。
 
■登壇起業

社内報をやってみる?

総務人事というのは会社のコミュニケーション流通などについて考える・企画する・運用する立場です。
・会社が現在どういう状況なのか
・顧客の要望はなにか。それに応えられているか
・社内の誰がどんな状況なのか
・これからのスケジュールはなにか。突発的に起きることで備えておくべきことはなにか

こういった情報が社内で適切に流通し、共有されていることはとても大切なことです。
ある程度、自身の行動を判断する基準になります。

なのですが、弊社はこういうのが実は苦手です。
職人肌の仕事師が多いため、なかなか共有が進みません。一時期流行したナレッジマネジメントみたいなものも整備したりしましたが、運用の面倒さがネックです。誰がこの運用の責任者なのか曖昧になってしまいます。

 

もっと手軽にいろいろな情報共有ができないものかと考えていました。
簡単にWebサイトがつくれるような感じがいいです。ブログという手もあります。

そんな感じでツールを探していたらちょうど良さそうなツールが。

gigazine.net

 

社内情報なのでクローズな運用が必須という意味でもよさそうです。
わたしの手元だけで製作することができます。まずはこのツールで「社内報」的なものをつくってみるつもりです。

 

いつもいつも感心、いや感動するのはこういうツールがすぐに手元で使えること。
簡単につくれて、印刷したり、配布したりする必要もなく、情報の流通まで担ってくれる。置いておけばいつまでも自分の代わりに説明し続けてくれる。

インターネットのこういうところがとても好きです。

 

会社に期待していないわけはない

弊社では四半期に一度、全社員を対象にした社員会を行っています。
四半期の業績やこれからの展望、そのほか会社としてのニュースがあれば情報共有を行います。

 

ただ忙しい現場。最近は出席率が低下しています。
準備をするこちらとしてはまあ仕方ないかな、という気持ちです。お客様対応があればそちらが優先に決まっています。

社長としてもそこをうるさく言うつもりはなく、こういう言い方はなんですが「アリバイ作り」のような思惑も…(「全社に向けて言ったからね」ということですね)。
もちろん終了後に資料などは共有していますが反応なんてありません。
社員にとっても「まあいつもの」という感じなのかなと思っていました。

ところが最近若いメンバーと話す機会があって「社員会の出席率が低いのってちょっとどうかと思います」という直球をぶつけられました。そうか、そんなに期待してもらっていたのか、とハッとしました。マンネリ化していたのはわたし自身でした。

 

社内のニュースというのは良いものもあれば悪いものもあります。
あまり突っ込むと難しい話になりそうだな、と突っ込んでいくことを避けていたのは事実です。終わらせることが目的化していたことは否めません。

社員会で共有されたものがどんなものであれ最後は「前向き」になっていないといけません。その設計をすることをすっかり忘れていました。お恥ずかしい。

 

出席率が低いことの責任の大部分はこのイベントの設計者であるわたしにあります。
そうなんです。こんな簡単な、単純な、大切なことを忘れていました。社長の姿勢に共感しちゃいかん(笑)。

 

次の社員会ではわたしはできる限りのことをしようと思います。「何をいまさら」と思われるかな。「なにやってんの」と思われるかな。まあ、いいや、そんなの。
きっと彼女がついてきてくれるはずです。

採用プロジェクトが終わって

A社さんに支援いただいた採用プロジェクトは大変難航しました。
こんなに苦しい採用はなかった。なんとかミッションはクリアしたものの、そのプロセスは満足できるものでなく、運が良かったことが起きただけというのがわたしの評価でした。
それについては率直に伝えいくつかの大切な議論をしました。人材採用の本質的な議論をすることができるパートナーがいるのはとてもありがたいことです。

 

途中からWebの求人媒体というものはどこまで有効なのかという話題になりました。

かつてのWeb求人媒体は、大量に応募者を集めて大量に落とす装置でした。それが現在は有効求人倍率の急激な上昇にともなって、求人数があまりにも多くなり「応募があればとりあえず面接」というゆるすぎるザルに。
かつては、応募者がいくら応募しても採用されない大量応募の弊害。現在は、どんなに求人を出しても採用できない大量求人の弊害。インターネットの極端な面が出ています。

もちろん「戦場がそうなっているから」と腹を括ってマーケティングして戦略を進めていくのが本筋なのでしょうが、これがインターネットの本当の価値とは思えません。もっと最適化が進むはずだと信じています。必要な人に必要な情報が必要なときに届くように。

 

これから人手不足はますます加速し、応募者有利な状況になっていくでしょう。
Webで気軽に応募して、とりあえず面接できてさくっと内定。そうなると最も大切な人材のマッチング、品質はどうなのか…とちょっと心配になります。

人材採用マーケットの心配をわたしがしても仕方ないので、自社に最適な人材採用とはどんなものか、考え抜きます。今後も人材採用の仕事には最大の労力をかけようと考えています。

 

嘘をついて人を採用するのはやめた方がいい

採用活動を行なっています。

中途で未経験者を募集しています。弊社の事実上の新人採用です。

  

募集状況や選考が芳しくないということはちょっと置いておいて…

 

今回お会いした数人の応募者から「入社したけど、採用活動のときに聞いた話とちがう」という退職理由を何度か聞きました。

  

・応募のときと職種がちがう

・時間外手当は別途のはずが「込み」だった

・新規営業はないと言われたのに新規のテレアポばかりやらされる

・産休・育休制度はあるが、使ってもらうのは困る

 

などなど。

たった数人でこれだけ出てきました。

聞いていたのとちがう、と言うと「社会は厳しいところ、甘えるな」という声が聞こえてきそうです。

  

でもさ、実際にせっかく採用した人がそれで退職してしまっているんだからホントにもったいない。

仮入部期間が終わって本入部になったら対応が変わる学校の部活みたいなの、通じる時代じゃないと思うんです。

  

採用担当の人事の人はどんな気持ちで面接してるんだろう。わたしはそれをやれと指示されたら断るし、断れないなら退職します。こちらの心がもちませんって。

 

そんなこと、まったく望んでない

HRベンダーさんからよくいただく提案に「採用業務の効率化」があります。

わたしに代わって書類審査や面接の日程調整をしてくれるサービスです。人事担当者の業務の効率化が目的ですね。

  

ただ、わたしはこの手のサービスに魅力を感じたことがありません。
書類選考や面接の日程調整はたしかに手間です。

ですが、特に書類選考こそ人事の人が全部目を通した方がいいと考えています。
たしかに数万の応募者が集まる大手企業さんではそれは難しいでしょうが、弊社では多くてもせいぜい200名です。ひとりで見ることは可能です。そして気になる人に職歴などの質問を送ることもなんとかできます。

というより、この作業が苦痛だったら人事なんてやっちゃいけないと思います。生きている人間に興味を持ち、経歴、仕事内容からどんなことができる人であるか仮説をつくることは人事の仕事そのものです。

学歴や前歴、年齢、性別で「切って」いくだけなら誰でもできます。しかしそれだけではわからない可能性を見つけていくのが仕事の本質でしょう。

  

時間はかかってしまいますが、着眼点、仮説構築の方法、検証の仕方をパターン化していけば生産性を向上させることだって可能です。

そういう意味もあってわたしには書類選考は「楽しい仕事」のひとつです。将来の大黒柱との出会いの瞬間です。高い集中力でエキサイティングな時間です。

 

ですからこの仕事を誰かに渡すわけにはいかないです。ましてや業者さんには代わってもらえません。